猫を飼っている皆さん、愛猫が、家の中のあちこちで、気持ちよさそうに寝ているのをよく見ませんか?「えっ、そんな所に!?」と驚くような場所で寝ていることもありますよね。
さっきまでソファで丸くなっていたのに、次は日当たりの良い窓ぎわへ。気がつくと、狭いダンボールの箱の中にすっぽり入っていたり、なぜか脱いだばかりの服の上で寝ていたり…。猫ちゃんは、寝る場所をころころ変えますが、それにはちゃーんと理由があるんですよ。
この記事では、猫が寝る場所をよく変える理由や、猫が「ここが安心!」と感じる場所のひみつ、季節によって寝る場所が変わること、そして「うちの猫ちゃんも!」と思うような、猫に人気の寝る場所をたくさん紹介します。
さいごには、猫ちゃんがもっと気持ちよく眠れるように、ベッドの選びかたや、危なくないように注意することもお話しします。
この記事を読めば、あなたの愛猫が、もっと安心してぐっすり眠れるようになるヒントが見つかるはずです。愛猫の気持ちを考えて、すてきな寝る場所を作ってあげましょう!
猫が寝る場所をよく変えるのはどうして?
「あれ?さっきまでここで寝てたのに、もうあっちにいる!」なんてこと、よくありますよね。猫が寝る場所をよく変えるのには、いくつかの理由があります。
一つは、猫が大むかし、外で暮らしていたころの習性がのこっているからです。
悪い敵に襲われないように、同じ場所でずっと寝ないようにしていたんですね。自分の場所を見回る、という意味もあるようです。
ほかにも、その時の気分で「もっと気持ちいい場所はないかな?」と探しているのかもしれません。
暑い時は涼しい場所へ、寒い時は暖かい場所へ。猫は、自分がいちばん気持ちいい!と感じる寝る場所を探すのがとっても上手なんです。
愛猫があちこちで寝るのは、元気で、気持ちいい場所を探している証拠なんですね。
猫はどんな場所が好き?寝る場所を選ぶときのポイント
猫が寝る場所を選ぶときには、いくつか大事なポイントがあります。あなたの愛猫は、どんな場所が好きなのか、どうしてそこが好きなのか、いっしょに見ていきましょう。
安心できる、安全な場所
猫は、用心深いところがあります。だから、安心して体を休められる場所が大好きです。
周りがよく見えるちょっと高い場所や、反対に、何かに囲まれていて隠れることができる狭い場所(ダンボールの箱や、家具のすきまなど)が人気なのは、「ここなら大丈夫!」と感じるからです。
気持ちいい温度の場所
猫は、暑すぎたり、寒すぎたりするのが苦手です。
ちょうどいい、気持ちいい温度の場所を探して動きます。
夏は涼しい床の上や風が通る場所、冬は日があたる窓ぎわや、暖房のそばなど、季節によってお気に入りの場所が変わるのはこのためです。
飼い主さんのにおいがする場所
大好きな飼い主さんのにおいは、猫にとって、とても安心できるものです。
飼い主さんのベッドや布団、脱いだばかりの服の上で寝たがるのは、飼い主さんのにおいに包まれて、リラックスしたいからなんですよ。
ちょっと困ることもあるけれど、愛猫があなたを大好きな証拠ですね。
高い場所や狭い場所もけっこう好き
キャットタワーのてっぺんや本棚の上など、高い場所で寝ていることもよくあります。
高い場所は、悪い敵に襲われにくくて、周りの様子もよく見えるので、猫にとっては安全な秘密基地のような場所なんです。
それから、体がちょうどよくおさまるくらいの狭い場所も、包まれているみたいで安心できて、落ち着くみたいですよ。
季節によって寝る場所は変わる?
さっきもお話ししたように、猫は気持ちいい温度を求めて寝る場所を変えます。季節ごとの好きな場所を見てみましょう。
夏はひんやり涼しい場所が好き
暑い夏には、体を涼しくするために、涼しい場所を探します。
- 床の上: ひんやりしていて気持ちいいみたいです。
- 玄関のタイル: 家の中で特に涼しい場所の一つです。
- お風呂場: しめっているのは苦手ですが、タイルのひんやり感が好きな子もいます。
- 風が通る場所: 窓の近くや、クーラーの風があたる場所(風が直接あたりすぎないように注意してあげてね)。
- 冷たいマットの上: アルミや石でできた、冷たいマットをしいてあげるのもいいですね。
冬はぬくぬく暖かい場所が大好き
寒い冬には、暖かい場所を求めて動きます。
- 日があたる窓ぎわ: 日なたぼっこは、猫にとって幸せな時間です。
- 暖房のそば: ストーブやヒーターの前は特別な場所ですが、やけどしたり、コードでいたずらしないように注意が必要です。さくなどを置いて、安全にしてあげましょう。
- 毛布やブランケットの上や中: ふかふかで暖かいものの中にもぐるのが大好きです。
- 飼い主さんのそば: 飼い主さんの体で暖まろうとすることも。一緒に寝てくれるとうれしいですね。
- こたつの中: 暖かくて狭いこたつの中は、猫にとってすごく好きな場所ですが、暑くなりすぎたり、息ができなくならないように、時々空気の入れかえをしたり、長い時間入らないように見ていてあげましょう。
猫に人気!お気に入りの寝る場所あるある
猫を飼っていると、「どうしてそんな所で!?」と驚くような場所で寝ていることもありますよね。猫ちゃんたちに人気の「あるある!」な寝る場所と、その理由を紹介します。
やっぱりこれ!ダンボール箱や紙ぶくろの中
荷物がとどいたときのダンボール箱は、なぜか猫ちゃんに大人気!狭くて、周りが囲まれているのが、隠れ家みたいで安心するようです。紙ぶくろも同じ理由で人気がありますね。
飼い主さんのベッドや布団の上
飼い主さんのにおいと暖かさに包まれて、安心して眠れます。
特に飼い主さんが寝ている時に、足元やお腹の前に乗ってくるのは、あなたを信頼している証拠ですよ。
日なたぼっこができる窓ぎわ
暖かい日差しをあびながら、外の景色をながめることができる窓ぎわは、猫にとって最高の休み場所。ウトウトしている姿は、見ているほうもいやされますね。
ソファやいすのすきま
家具のすきまは、体にぴったりくっついて、隠れるのにもちょうどいい場所。安心して休める場所として選ばれることが多いです。
キャットタワーのてっぺんやハンモック
高い場所から部屋全体を見わたせるキャットタワーのてっぺんや、ゆらゆらゆれるのが気持ちいいハンモックは、猫にとってお気に入りの寝る場所になりやすいものです。
洗濯物の上や中
取り込んだばかりの洗濯物の山は、ふかふかで暖かく、飼い主さんのにおいもするので、猫にとってはすてきなベッド。
洗濯物をたたむのをじゃまされちゃうけど、可愛い寝顔を見ると許してしまいますね。
愛猫のためにもっと気持ちいい寝る場所を作るには
愛猫が安心してリラックスできるように、飼い主さんができることもありますよ。もっと気持ちいい寝る場所を作ってあげましょう。
猫ちゃんのベッドの選びかた(さわりごこち・形・大きさ)
猫ちゃんのベッドはいろんな種類がありますが、選ぶときのポイントはこんな感じです。
- さわりごこち: さわって気持ちよくて、暖かかったり、涼しかったりするものがいいですね。洗えるものだと、いつもきれいできて安心です。
- 形: ドームの形、かごの形、クッションの形など、猫ちゃんの好きなものにあわせて選びます。隠れるのが好きな子にはドームの形、広い場所が好きな子にはクッションの形などがおすすめです。
- 大きさ: 猫ちゃんが丸くなったり、体を伸ばしたりしても、狭くない大きさのものを選びましょう。
ベッドを置く場所の工夫
せっかくベッドを用意しても、置く場所が気に入らないと使ってくれないこともあります。
- 静かで落ち着ける場所: 人がたくさん通る場所や、大きな音がする場所はさけましょう。
- 気持ちいい温度の場所: 夏は涼しく、冬は暖かい場所に置いてあげると喜んでくれます。クーラーの風が直接あたらない場所を選びましょう。
- 猫ちゃんがいつも好きな場所の近く: いつも寝ているお気に入りの場所の近くに置いてみるのもいい方法です。
- いくつか用意する: 猫はその日の気分で寝る場所を変えるので、いくつかベッドを用意してあげると、好きな場所を選べてうれしいかもしれません。
手作りで猫ちゃんだけのベッドをプレゼント
お店で売っているベッドだけでなく、手作りでベッドを作ってあげるのもおすすめです。
- 着なくなったセーターやフリース: そでの部分などを使って、簡単なクッションや、もぐりこめる寝ぶくろを作ることができます。
- 古いタオルや毛布: ダンボール箱の中にしいたり、重ねてふかふかにしたりするだけで、立派なベッドになります。
飼い主さんのにおいがついたもので作ってあげると、もっと安心して使ってくれるかもしれませんね。
猫の寝る場所からわかること・気をつけること
猫の寝る場所は、ときどき、体の具合や、安全についての大事なサインを送っていることもあります。
いつもと違う場所で寝るのは、具合が悪いサインかも?
いつもは元気な猫ちゃんが、急に押し入れの奥や家具の後ろなど、暗くて狭い場所に隠れるようにして長い時間寝ているときは、体の具合が悪いのかもしれません。元気がない、ごはんを食べない、さわられるのをいやがる、などの様子が見られたら、早めに動物病院につれていってあげましょう。反対に、いつもと違う開けた場所でぐったりしているときも気をつけて見てあげてください。
こんな場所で寝ていたら注意!危ない寝る場所
猫が好きな場所の中には、思いがけない危ないことが隠れていることもあります。
- 電気で動くものの近くやコード: 暖かいからとパソコンやテレビの上で寝たり、コードをかじったりすると、感電したり、やけどしたりすることがあって危ないです。カバーをかけたり、コードを隠したりして、安全にしてあげましょう。
- ぐらぐらする場所: 高い場所でも、足場がぐらぐらしていたり、物が落ちてきたりするかもしれない場所は危ないです。安全かどうか確かめて、整理整頓をしましょう。
- 暖房に近すぎる場所: 暑すぎてやけどしたり、体の水分がなくなったりすることがあります。安全な距離をたもてるように、ガードを置くなどの工夫をしましょう。
- 洗濯機や乾燥機の中: 狭くて暗い場所が好きな猫が、中に入ってしまう事故もあります。使わないときは必ずフタをしめておきましょう。
- 薬や危ないものがある場所: 猫がまちがってなめたりしないように、置いておく場所には十分注意しましょう。
まとめ:愛猫が安心して眠れる環境を作ってあげよう
猫にとって、眠ることは元気でいるためにとても大切な時間です。
そして、安心してぐっすり眠れる場所があることは、猫ちゃんの心が落ち着くことにもつながります。
猫が好きな寝る場所は、その子の性格や年れい、季節によってさまざまです。
一つの場所に決めないで、家の中のあちこちに寝る場所を用意して、愛猫自身に選ばせてあげるのがいいかもしれません。
普段から愛猫の様子をよく見て、「どこで寝ているかな?」「どんな場所が好きかな?」と気にかけてあげてください。
そして、安全で気持ちいい寝る場所をいくつか用意してあげることで、愛猫との絆はもっと深まるはずです。
猫が安心してリラックスできる環境をととのえて、元気に幸せな毎日を送れるようにしてあげましょう。