猫がご飯を食べ終わった後、あるいは食べる前に、床をカリカリとひっかいたり、まるでお皿に砂をかけたりするような仕草を見せることはありませんか?

「せっかく用意したご飯が気に入らなかったのかな?」 「もういらないっていうサイン?」

一生懸命に床をかく愛猫の姿を見て、不安になったり、少しショックを受けたりする飼い主さんも少なくありません。

しかし、この「ご飯を隠す行動」には、猫の野生時代の本能や、言葉にできない健気な心理が隠されています。

この記事では、猫がご飯を隠そうとする4つの主な理由と、その行動に隠されたサイン、そして飼い主さんが取​​るべき適切な対応について分かりやすく解説します。

猫がご飯を隠そうとする「砂かけ行動」の正体

猫がご飯の入ったお皿の周りをカリカリと引っかいたり、床をかき寄せたりする仕草。

これは一般的に「砂かけ行動」や「エア砂かけ」などと呼ばれます。

トイレで砂をかける動作にそっくりなため、「汚いと思っているの?」と心配になる方もいるかもしれません。

しかし、猫にとってこの動きは、自分の痕跡を消したり、大切なものを守ったりするための、非常に重要な本能的行動なのです。

なぜ隠すの?考えられる4つの主な理由

① 野生の残り火:獲物を外敵から守る「貯蔵本能」

野生時代の猫は、狩りをして獲物を得ていました。

一度に食べきれなかった獲物をそのままにしておくと、その匂いに引き寄せられた外敵に襲われたり、他の動物に獲物を奪われたりするリスクがあります。

そのため、食べ残しの匂いを消すために土に埋めて隠す習慣がありました。

家猫として暮らす今でも、その本能が「ご飯を隠す」という行動として現れるのです。

② 「後で食べるよ」:お腹がいっぱいというサイン

「今はもう満足だけど、もったいないから取っておこう」という心理です。

猫は本来、ネズミなどの小さな獲物を一日に何度も狩って食べる習性があります。

そのため、一度にたくさんの量を与えられると、「保存モード」のスイッチが入ってしまうことがあります。

この場合、しばらく経ってからまたお皿に戻ってきて、隠していた(つもりだった)ご飯を食べることも珍しくありません。

③ 実は不満?:ご飯が気に入らない・嫌いという意思表示

残念ながら、ご飯の内容に納得がいっていない場合にもこの行動が見られます。

猫にとって「匂い」は非常に重要です。「食べ物として認識できない」「嫌な匂いがする」と感じた際、それを排泄物と同じように「隠して消し去りたいもの」として扱ってしまうのです。

急にフードを変えた時や、お皿が汚れている時に見られる場合は、この理由の可能性が高いでしょう。

④ 安心して食べられない:食事環境への不安

特に多頭飼いの家庭では、「他の猫に横取りされるかもしれない」というプレッシャーから、隠す仕草を見せることがあります。

また、人の通りが激しい場所や騒がしい場所など、落ち着いて食事ができない環境だと、「早く隠して安全な場所へ移動したい」という焦りが行動に出てしまうこともあります。

飼い主が知っておきたい!隠す仕草への対策と注意点

放置は不衛生!食べ残しを片付けるタイミング

猫がご飯を隠そうとしたら、それは「今はもういらない」という合図でもあります。

特に出しっぱなしのウェットフードは雑菌が繁殖しやすく、食中毒の原因にもなりかねません。

猫がひと通りカリカリし終えてその場を離れたら、30分程度を目安に片付ける習慣をつけましょう。

食事環境を見直す:猫がリラックスできる場所作り

もし愛猫がソワソワしながら隠す仕草をしているなら、食事場所を見直してみましょう。

  • 壁際や部屋の隅など、背後が気にならない場所に置く
  • 他のペットと距離を離す
  • 食器を高さのあるタイプに変えて、食べやすくする これだけで安心感がぐっと増し、隠す行動が落ち着くこともあります。

1回の食事量と回数の調整

「お腹いっぱいで隠す」ことが多い場合は、1回に与える量を減らし、その分回数を増やしてあげてください(例:1日2回を3〜4回に分ける)。 常に「食べきれる量」を出すことで、ご飯の鮮度も保たれ、猫も満足感を得やすくなります。

まとめ:愛猫の「隠す」行動は本能の証

猫がご飯を隠そうとするのは、決して飼い主さんを困らせるためではありません。

それは、厳しい自然界を生き抜いてきた先祖から受け継いだ、大切で愛らしい「本能」の一部です。

もし愛猫が床をカリカリし始めたら、「今はもう満足なんだね」「大切なご飯だもんね」と、優しく見守ってあげてください。

その上で、鮮度の管理や環境づくりをサポートしてあげるのが、飼い主さんとしての最高の愛情表現になります。

議な行動の理由を知って、もっと絆を深めていきましょう。