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グレインフリーのキャットフードは猫にとって安全・安心なのか?

グレインフリーキャットフードは安全なのか?
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インターネットでキャットフードについて調べたことがありますか?

例えば「キャットフード おすすめ」などで調べるとグレインフリーのキャットフードをおすすめとして紹介するサイトが多く出てきます。

「グレインフリーは穀物不使用だから安心」

「猫は穀物(炭水化物)をうまく消化できない」

「グレインフリーは低炭水化物だから猫本来の食性に近い」

など、穀物や穀物に多く含まれる炭水化物を悪者にして紹介するサイトがわんさかあります。(最近は少なくなってきた方だと思いますが、それでもたまに見かけます)

良いキャットフードの条件としてグレインフリーであることを挙げるサイトも少なくありません。

今回は、キャットフードはグレインフリーであれば本当に安全なのか調べた結果を紹介します。

この記事はグレインフリーキャットフードを批判するものではありません。

一部のサイトに書かれている情報に疑問を持ったので確認してみたことを書いているだけです。

 

グレインフリーだとなぜ安心と言えるのか?

グレインフリーキャットフード

グレインフリー(穀物不使用)だから安心といってキャットフードを紹介しているサイトの言う根拠として多く挙げられているのが、

  1. 猫は肉食動物(たしかに!そしてかわいい!)
  2. だから穀物の消化が苦手(穀物っていうか炭水化物な)
  3. グレインフリーは穀物不使用(ほう)
  4. だから安心!(は?)

といった感じです。

のりを
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③と④の間に根拠があればいいのにね。

猫は穀物(炭水化物)を消化できないのか?

「猫は穀物(炭水化物)を消化するのが苦手」とか書いている記事をよく見かけますが、あれは生の穀物の話です。あと、消化が苦手なのは穀物に多く含まれる炭水化物です。

実際にキャットフードに入っている穀物は加水・加熱処理(ご飯を炊くようなイメージ)されてアルファ化(糊化)されているので、フード全体に含まれている炭水化物が35〜40パーセント程度であれば消化できます。

猫は唾液中に炭水化物の消化酵素であるアミラーゼは少ないですが、小腸で炭水化物の栄養を吸収しています。

「猫は穀物の消化が苦手」とだけ書いている記事は最近のキャットフードについてあまり調べてないのかな?と思います。

もしくはなにか裏があるんでしょうねぇ。。。

のりを
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ちなみに生の穀物は人間でも消化によくないよ

グレインフリーでも炭水化物は入っている

穀物の主な栄養素は炭水化物なので、グレインフリーといわれると炭水化物が入っていないように思いますが多くのグレインフリードライフードには普通に入っています。

ドライフードは形を作る上でデンプン(炭水化物)を利用しているからです。

なのでドライフード(カリカリ)はグレインフリーであっても、いも類や豆類などから炭水化物を入れて作られています。

のりを
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ドライフードで炭水化物がほとんど入っていないものは探してみると2種類だけありました。今後は増えていくかもしれませんね!

グレインフリーのキャットフードは低炭水化物?

「グレインフリーは低炭水化物で猫本来の食性に近い」とかたまに書いているサイトを見かけますが、結論から言うとグレインフリーだから低炭水化物とは限りません。

というか、商品によります。

ネット上で僕がよく見かけるグレインフリーのキャットフード15種類の推定炭水化物の量に調べてみました。

結果としては、

  • 炭水化物量が推定39%〜35%のもの → 1種類
  • 炭水化物量が推定34%〜30%のもの → 3種類
  • 炭水化物量が推定29%〜25%のもの → 5種類
  • 炭水化物量が推定24%〜20%のもの → 4種類
  • 炭水化物量が推定19%以下のもの → 2種類

炭水化物量が一番高いもので推定35.5%、一番低いもので推定17%でした。

タンパク質は一番高いもので40%、一番低いもので30%でした。

炭水化物のパーセンテージは

100-(タンパク質+脂肪+繊維+灰分+水分)=炭水化物(%)

で、算出しています。


比較としてグレインフリーではないキャットフード、34商品313種類(仔猫用以外)の炭水化物量も調べてみました。(まだ全て調べきれてないので商品数は増えていきます)

  • 炭水化物量が推定45%以上のもの → 12種類
  • 炭水化物量が推定44%〜40%のもの → 76種類
  • 炭水化物量が推定39%〜35%のもの → 115種類
  • 炭水化物量が推定34%〜30%のもの → 67種類
  • 炭水化物量が推定29%〜25%のもの → 28種類
  • 炭水化物量が推定24%〜20%のもの → 15種類
  • 炭水化物量が推定19%以下のもの → 0種類

炭水化物量が一番高いもので推定45.5%、一番低いもので推定20%でした。

タンパク質は一番高いもので42%、一番低いもので23.4%でした。

グレインフリーの方が平均的に炭水化物量は低いですが、同じくらいの炭水化物量が入っているものならグレインフリーじゃなくてもあるんですよね。

なので「グレインフリーだから低炭水化物」っていってるサイトはたぶん調査不足です。

のりを
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ただ、炭水化物量以外の部分でこのフードは与えたくないなと思うものがあるのも事実です。ブランドは分けてるけど原材料から栄養成分までおなじものなんかもありました。

本当に猫さまが狩りをしていた時と同じ栄養バランスにしようとすると炭水化物は10%以下らしいのでドライフードで再現するのはなかなか難しそうですね。

そもそも炭水化物は猫にとって悪なのか?

栄養素として猫は炭水化物(糖質)をとらなくても、脂肪やタンパク質を十分に摂取できていれば体内でエネルギーに変換することができるので摂る必要はないといえばない。

ただ、食物繊維は小腸の機能維持に役立ちます。

猫の肥満や糖尿病に炭水化物の摂りすぎが影響しているのではないかと言われていますが、現時点では科学的データはないようです。

余談ではありますが、炭水化物ではなく脂質が肥満に関連していると指摘する論文はあるみたいですね。

私見ですが、先ほど35%から40%程度の炭水化物なら問題ないと書きましたが個体差はあるんじゃないかなと思います。

40%の炭水化物を摂取しても特に問題なく生活を送る猫さまもいれば、太ってしまったり体調を崩す猫さまもいるだろうと。

我が家の愛猫は病院でいただいた療法食のサンプル(推定炭水化物量が40%)を食べた翌日から初めて下痢になりました。

もちろんそのサンプルのフードが原因かどうかは定かではありませんし、たまたま体調が悪かったのかもしれませんが、それ以降は40%以上の推定炭水化物量があるフードはあげていません。

フードをあげる場合はどれくらいの炭水化物量なら愛猫に問題ないのか把握しておくことも大事なことと思います。

 

グレインフリーキャットフードは健康に良くないのか?

じゃあグレインフリーフードは健康に良くないの?って思われる方がいるかもしれませんが、グレインフリーのキャットフードは、

穀物アレルギーを持っている猫さまには有効です。

ただ、食物アレルギーの要因は穀物だけではないですし、他の食物にもアレルギーを持っていることは十分に考えられるのでアレルギーの検査を受けて獣医さんと相談してフードを決めていく方がいいとは思います。

現時点ではグレインフリーのフードの方が健康に良いといった科学的根拠はありません。

だからと言ってグレインフリーのペットフードが悪いともいえないです。

多くのグレインフリーキャットフードはプレミアムフードといわれるものでもあるので、各ブランドごとにこだわった素材を使っています。

愛猫に良いものを食べさせたいと思ってフードを探したら、たまたまグレインフリーだったってことはあると思います。

ただ、「穀物が入っている=悪いフード」「グレインフリー=良いフード」と安直に書かれているサイトの言葉を鵜呑みにしないようにしてください。

のりを
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グレインフリーのキャットフードが悪いわけじゃないんだよ。紹介してるサイトの情報がね。。。

フードに関する獣医師の見解は?

フードに関する獣医師のスタンスは本当に色々です。いろんな書籍やサイトを調べましたが、

  • 適量の炭水化物なら猫の健康に問題ない
  • できるだけグレインフリーをすすめる
  • 手作り食をすすめる
  • 炭水化物がほとんど入っていないウェットフードをすすめる

など本当に人によってバラバラです。

あなたが獣医師に何を求めるかによって獣医さんが信頼できるかどうかは変わると思います。

個人的には適量の炭水化物は猫さまにとって問題ないと考えているし、とはいえ炭水化物を摂らせたくないと思うならウェットフードが水分も取れて良いなって思います。

のりを
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ちなみにうちの猫さまはウェットは全然食べてくれません。

 

まとめ:サイトに踊らされず愛猫にあったフードを

  • グレインフリーでも炭水化物が入っている
  • 猫さまは適量(35〜40%程度まで)ならフードに含まれている炭水化物を吸収できる
  • グレインフリキャットフードは低炭水化物だが穀物入りでも同じ水準のものはある
  • 穀物アレルギーを持っている猫さまにグレインフリーは有効
  • グレインフリーが健康に良いという科学的根拠はない
  • フードに関する見解は獣医師によってさまざま
  • グレインフリーはプレミアムフードに多いので素材などはこだわっている

現状、猫さまにとってグレインフリーだから安心・安全といった根拠はありません。

インターネットで検索されている方は悩みを持っていて、答えを探して検索していると思います。

なので「◯○だから安心」といった明確な答えは耳ざわりもよく受け入れられやすいかとは思います。

ですが、根拠が示されていないものに関しては少し疑うくらいでいいと思います。

このサイトでの情報もそうですが、あくまで参考程度に考えてください。

愛猫に適したフードはなんなのか?という答えは、実際に愛猫に接しているあなたやよく診てもらっている獣医師にしかわかりません。

最後にこの記事を書くのに参考にした書籍・サイトを記しておきます。

僕が書いた記事なんかよりさらに専門的に書かれているものばかりなのでフード選びの参考になると思います。

書籍に関しては個人的におすすめできるものにはリンクを貼っています。

【参考書籍】

【参考リンク】

 

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